トップページ / サービス / M&Aコンサルティング / 事例2
CASE.2
依頼の背景・課題
Sさんは、年商3億円、営業利益5,000万円と堅実に成長しているSaaS系BtoBサービスを展開。
堅実な成長を続ける一方で、次の事業に挑戦したいという強い想いがあり、自社株式の売却(イグジット)を検討されていました。
しかし、既存事業にはまだ成長余地があり、VCからの出資も受けていたことから、株主間での意見が分かれ、判断が難航していました。
そんな状況の中、顧問税理士からの紹介をきっかけに、事業の成長と株主の意向を両立できる出口戦略を描くため、ミツカルへご相談をいただきました。
論点
Sさんが向き合っていたのは、"会社をどう終わらせるか"ではなく、"どう次につなげるか"。
売却による資金確保を優先するのか、会社の文化や社員の雇用を守るのか。
そのバランスをどのように取るかが、今回のテーマの核心でした。
私たちは、経営者・株主・買い手という三者の立場が交錯する中で、
「誰もが前を向けるイグジット」を設計することを目的に支援を開始しました。
重要なポイント
・バリュエーションの妥当性:どの程度の株価が適正なのかを客観的に把握すること。
・売却先の選定軸:同業・異業・ファンドなど、譲渡後の成長可能性をどう描くか。
・既存株主との合意形成:VCのイグジット要求とオーナーの希望をどう調整するか。
・次の挑戦への資金設計:新規事業に必要な自己資金をいくら確保すべきか。
提供サービス
Sさんの目的は「高値で売ること」ではなく、「事業を次のステージにつなげること」。
そこで私たちは、金額面だけに偏らず、"想いと構造の両立"を実現するイグジット設計に取り組みました。
支援内容
・企業価値の算定と市場分析:財務分析と市場調査をもとに、想定株価レンジを6億〜7億円と算定し、客観的な評価指標を明確に示すことで、株主間の議論を整理。
・買い手候補の選定とマッチング設計:「企業文化を理解し、既存社員の雇用を守ってくれる買い手」を最優先条件として設定。同業上場企業2社、オーナー企業1社、PEファンド2社へアプローチを行い、金額ではなく"理念の共鳴"を軸としたマッチングを構築。
・株主調整と合意形成支援:VCとの個別面談を重ね、Exit条件の擦り合わせを実施。条件面だけでなく心理的な納得を重視し、意見の違いを前向きな合意へと繋げた。
・次の挑戦に向けた資金設計支援:新規事業に必要な資金を逆算し、手残り額と再投資計画を可視化。Sさん自身が「次に進むための余白」を明確に描けるよう支援。
結果
最終的に、PEファンドへの株式譲渡が成立。
譲渡額は7億2,000万円、税引き後の手残りは約4億円となりました。
買い手は成長投資を継続し、社員の待遇・ブランド・体制はいずれも維持されています。
VCも想定リターンを実現し、関係者全員が納得できるイグジットを達成しました。
Sさんは短期間で引継ぎを完了し、現在は新しい事業の立ち上げにミツカルが引き続き伴走しています。
その他の事例
お問い合わせ
“ちょっと気になる”からでもご相談可能です。まずは一度お問い合わせください。